医療用大麻って何? そもそも大麻って体に悪いの?

少し前の話になりますが、先月10月25日に元女優の高樹沙耶さんが逮捕されたニュースで一躍話題になった「医療用大麻について取り上げていきたいと思います。

私自身あまり知らない話でしたのでいろいろと調べてみました。

詳しい方からしたら、突っ込みどころも多数あると思いますが、優しい気持ちで読んで頂けると幸いです笑。

 

それでは、まず大麻って何?って所から説明していきます。

大麻とは麻を原料とした薬物を指します。別名をマリファナといいます。

 下は麻の写真です。

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次は医療用大麻の説明です。調べた結果を簡単にまとめると、「大麻には体に良い効能があるから日本でも治療に使っていったらどうでしょうか?他の多くの国でも使ってますよ。」と推奨している人たちが使っている用語だと解釈しました。

 

では次に、推進している人たち、つまり医療用大麻賛成派の意見、そして反対派の意見を取り上げていきたいと思います。

 

まず気になる効果としては

推進派の意見としては大麻には、鎮痛作用・沈静作用・催眠作用・食欲増進作用・抗癌作用・眼圧の緩和・嘔吐の抑制など多くの効果があるとされているらしいです。さらにそれほど副作用が少ないということを強調している記事を多く見かけました。

副作用が少ないというのは意外に感じますよね。

副作用が少ない根拠として、1994年にアメリカ国立薬物研究所が行った麻薬と嗜好品の比較表(下の表)を根拠としてあげている方が多い様子でした。

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この表を見て説得されたら確かに、大麻って案外大丈夫そうだと感じますよね。むしろ別の項目のアルコールが思っていた以上に危険そうで気になりますよね。

 

また別の安全という根拠に、多くの国が大麻を吸うことを合法としてきているということを挙げる方も多くいるようです。

具体例としては

ポルトガル 2001年より非犯罪化

・スペイン  2006年より非犯罪化

・ベルギー  2001年より非犯罪化

チェコ   2010年より非犯罪化

・ドイツ ベルリン 2010年より非犯罪化

・アメリカ  ワシントン州 コロラド州 2012年より非犯罪化

まだまだ多くの国があるようですが有名どころをピックアップしていました。もっと他の国でどうなのか気になる方は調べていてください。

確かに思っていたよりもしっかりとしていそうな国や州で2000年以降に吸えるようになってきてる事は説得力があるように感じます。

 

それでは次に反対派の意見を取り上げていきたいと思います。

やはり副作用があるので反対するという意見が多くあるようです。

副作用の具体例としては

①発ガン性物質の存在 ②脳・神経への害 ③心臓への害 ④禁断症状 

⑤小児の発達への有害作用 ⑥精神疾患にかかりやすい

等がみられました。

 

特に調べていて怖いと感じたのは①の発ガン性物質の存在です。具体的には、大麻の煙に含まれているはベンゾピレンなどの発ガン性物質はタバコの煙より50-70%も多いとの報告。また、タバコ1本吸うのと比較すると、マリファナを1本吸った場合には、肺に沈着するタールの量は4倍とこれも強烈なインパクトがありました。付け加えますが、この発がん性のリスクは、医療用での使用の際には吸うわけではないので大丈夫といった指摘もありました。

 

また最近の研究では2014年に英キングス・カレッジ・ロンドンのWayne Hall教授が1993年から2013年までの間に行われた大麻の研究の数々をまとめて発表したもの「What has research over the past two decades revealed about the adverse health effects of recreational cannabis use?」があります。この発表の中には

「青年期から大麻を日常的に使用すると6人中1人が大麻への依存症になる」

「青年期から成人期まで日常的に大麻を使用すると知力の発達を妨げる可能性がある」

といった青少年に対する大麻の副作用の危惧や

大麻の影響下で運転すると交通事故を引き起こす可能性が2倍になる」

大麻を日常的に使用すると統合失調症などの精神疾患にかかる可能性が2倍になる」

といった成人へ影響を指摘していました。

 

また医療用大麻に対しての研究結果の結果から大麻の医療用の使用に反対する意見もありました。

具体的には

・2015年に発表された「医療用途の大麻由来薬:システマチックレビューとメタアナリシス」では、鎮吐剤・鎮痛剤としては、控えめな効果は認めるものの、複数の臨床試験をまとめても偽薬相手に有意差をつけられていないとの結果でした。

・2009年の「慢性の痛みに対する大麻のシステマチックレビューとメタアナリシス」の結論では、ひかえめな効果は認めるが副作用が多すぎて使いづらいとされていました。

 

以上から私なりのまとめをしていきたいと思います。

大麻と聞いてまず気になった、他の覚せい剤などの薬物のような強烈な依存性や中毒が低いという点は、医療用大麻の日本での解禁ということにはマイナスの影響はないという印象をもちました。しかしながら、医療用大麻の効用に対しては、本当に効くの?と怪しまれる結果の研究が比較的多く見つかりました。もしかしたら、今後より画期的な効果が見つかるということはあり得ることかも知れませんが、現在の所では、日本にて医療用の大麻の解禁というのは、中々険しい道なのではないかと感じました。また世界中の国にて解禁が進んでいるとの意見は実に最もだと感じますが、アメリカの一部でしか解禁していないこと、また2000年以降に解禁された国が多く、その長期使用による身体への影響が解明されていない現状を踏まえると決して軽々しく安全というには、時期が早すぎるように感じます。日本にしっかりと根付いたタバコやアルコールといった嗜好品のリスクに関しても、最近ではメディアに多く取り上げられ話題になる頻度が年々増えてきていると感じています。

最後の締めの文章として、医療用の大麻の可能性を完全に否定することはしませんが、嗜好品の大麻に関しては、健康への影響が少しでも疑われている限り決して合法化すべきではないと思います。例えタバコやアルコールと比較して大丈夫な側面があったとしても、あえて毒となりうる嗜好品は増やすべきではないと考えます。

 

長くなりましたが以上とします。

拙い文章を最後まで読んで頂きありがとうございました。